老人ホーム栄養士の仕事は大変?

仕事内容

これから老人ホームへ就職を考えている方。人には得意不得意があります。まずは老人ホームの仕事内容が自分に合っているか見てみましょう。

〇仕事内容一覧

  • 給食管理
     私の勤める施設では、給食を直営で管理しています。調理作業に入ることはほぼありませんが、その他以下の業務を行う必要があります。1ヵ月当たり給食管理に使う時間は、延べ7~8日間程度と思われます。ただし、行事がある月などは大幅に変動します。
    • 献立作成(1ヵ月当たり業務時間1~2日)
       利用者の食べたい献立リクエストに応えるのは当たり前ですが、リクエストされた献立を高齢者が食べやすいようにアレンジすることが必要になります。献立作成時に注意している点は、高齢の方は咀嚼・嚥下機能が低下している事が多く、「硬い食材」「咀嚼出来てもまとまりずらい食材」などは誤嚥、窒息に繋がる恐れがあるため、噛みやすい切り方にしたり、軟らかくなるように調理方法を工夫するように心がけています。
       その他、献立作成業務を効率的に行うため、サイクル献立を行っています。ベース献立91日分を年4サイクルします。利用者のリクエストや旬の食材などのポイントを抑えた変更と前回実施後改善が必要だった献立の変更を行い、最小限の労力に抑えています。
    • 厨房書類作成(1ヵ月当たり業務時間1~2日)
       厨房書類とは、調理員が使用する書類関係の物を指しています。例えば、調理員が調理中に使用する厨房用献立表に指示を書いたり、使用する食材をわかりやすくするための仕込札に使用量を書いたりします。その他、衛生管理チェックリストを作成します。書類準備に要する時間は、厨房用献立を1か月分指示を記入するのに半日、仕込札1か月分記入するのに半日、衛生管理チェックリストは様式を決めてしまえば印刷するだけなので余りかかりません。
    • 発注書作成(1ヵ月当たり業務時間半日~1日)
       献立を決めたら、食数から使用する食材量を計算し、発注書を作成します。現在の職場に就職して業務の引継ぎを行ったときは手書きでしたが、効率が非常に悪かったので発注書はエクセルを使用して作成するようになりました。効率が悪いと感じた理由としては、手書きに時間がかかる点や、使用する食材によって発注先が違うため、発注書を9~10業者程度に分けて記入する必要があり、更にどの食材がどこの業者か覚えるのも一苦労でした。そこで、エクセルでVLOOKUP関数を使い、食材名を入れると自動で業者名が入力されるようにデータを作成しました。これにより、発注書を作成するのにかかる時間が大幅に短縮しました。また、短縮した時間を使って発注書の確認が出来るようになり、発注ミスによる突発的な業務がほぼなくなりました。
    • 検品・納品確認(毎日30分)
       納品時の検品は基本的に栄養士が担当しています。検品する時に確認していることは、納品漏れ、数量確認、品質確認、温度確認を行います。納品漏れとは、発注書には書かれているが、納品業者の方で抜けてしまう場合があるため確認を行います。その他、納品数量に間違えがないか、生鮮食品など傷みは大丈夫か、適切な温度で管理されているかなどを確認し、発注書に状態を簡単に記録します。品質に関しては、見た目は問題なかったが、食材を切ったときに中が痛んでいたなど、問題が生じることがあります。その場合には、業者に状況を連絡し、新たな食材を持ってきてもらうか、使用する時間までに間に合わない場合には、後で傷んでいた現物を返品し赤伝(請求から抜いてもらう)を出してもらう必要があります。
    • 請求書確認(1ヵ月当たり業務時間1~2日)
       月初めに先月分の発注書、納品書、請求書を全て確認します。確認方法は発注した数量と請求されている数量に相違がないか全ての発注内容一つ一つを確認します。また、請求書の金額に計算ミスがないか電卓で全て計算します。1日の仕事がこれで終わってしまうくらい時間の掛かる作業ですが、間違えが度々あるため、欠かすことのできない重要な業務です。請求書の確認が済んだら、一人当たり1ヵ月で平均いくらの食事代がかかったか把握します。計算式は(すべての業者の合計請求金額)/(1ヵ月の延べ入所者人数)です。R5年現在の介護報酬は一人当たり1日1,445円となっています。食材費だけならこれを下回る数字になるかと思いますが、ここに人件費や光熱水費、消耗品費などを合計すると私の施設の給食管理体系では、1日当たり1445円で全て賄うことは困難と思われます。
    • 調理員のシフト管理
       給食直営施設のため、調理員のシフトを作成します。調理員の組み合わせなども考える必要があります。新米調理員さんとベテラン調理員さんの組み合わせなどなど。その他に、早番の次の日はなるべく休みを入れることや、自分で仕込んだ食材を翌日自分で調理するよなシフトにするなど工夫をすることで調理員の疲労軽減や調理ミスの軽減に繋がると思います。
  • 栄養ケア・マネジメント
     簡単に言うと、個々の利用者の状態を把握し、栄養計画を立てて、しっかりとケア出来ているか確認を行います。3ヵ月ごとに個々の利用者の状態を把握して、栄養計画に変更が必要か確認します。令和3年度介護報酬改定後、未実施の場合、一人当たり14単位/日の減算になりました。実際にどのような業務を行うかは次のとおりです。
    • 入所者のスクリーニング
      • 提供カロリーの計算
         日本人の食事摂取基準から算出又は、栄養ケアマネジメントに対応した介護ソフトなどを使用している場合、自動で計算されます。ただし、身体活動レベルなどに関しては寝たきりかの方と歩行できる方で違いがあると思うので微調整を行う必要があります。
      • 既往歴から配慮すべき点の抽出
         糖尿病など特定の治療に必要な既往がある場合には、医師の指示の下、療養食を提供します。療養食の提供は、食事1食当たり6単位のため、1日3食提供した場合には18単位となります。6単位×3食×365日=6,570単位×10円≒65,700円チリも積もればなんとやらですね。
      • 定期的なモニタリング
  • その他
    • 調理器具発注
    • ヒヤリ・ハットの対応

〇まとめ

 大まかにはこんな感じです。老人ホームでの仕事は多岐に渡り、施設によっては1人で仕事を回す必要があります。 私の施設は管理栄養士2名他調理員の構成となっています。自分が楽しいと思える仕事の部分を見つけ、それに要点を置いて仕事を進めることが「やりがい」に繋がると思います。また、ただの作業と思われる業務をいかに簡略化し効率化を図ることで、栄養マネジメント強化加算など新たな加算算定に費やす時間が確保できると思います。

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